雑記

好きな映画は『お嬢さん』『青い春』『ピンポン』『天気の子』です

10/14

 セブンのこだわり抹茶の抹茶ラテを飲んだ。抹茶ラテを飲んでいるときにアオサを感じることがまれにあるのだが、その類の抹茶ラテだった。いやな感じではないが、かなり甘い。ちなみに、私は綾鷹の抹茶ラテが1番美味しいと思っている。

 

 『わたしたちが光より速く進めないなら』を読み終わった。「わたしたちが光の速さで進めないなら」「感性の物質」「館内紛失」「わたしのスペースヒーローについて」の四つの短編が後半には収録されていた。どれもとても面白い話で、息つく暇もなく読んだ。最近はエッセイや図鑑を中心に読んでいたこともありここまで「物語の続きを読みたい!」という気持ちになったのは久しぶりだ。宝箱があったらしまっておきたいくらいの読了感だ。

 「感性の物質」では「憂鬱」「落ち着き」などの感情を物質にした石や石鹸などの用品を販売する会社が現れた。触ったり、使ったり、味わったりすることでその感情を体験することができるというものだ。自分の感情を取り出して物質化して、手に握り込めておけたら、すごく安心するのかもしれない。

 「館内紛失」の主人公は母と確執を持った女性で、妊娠初期の自身がこれから母となることに戸惑いを隠せないでいる。図書館と呼ばれる故人の擬似人格データを保有する施設で母の人格と対面しようとしたところ、そこへ紐付けられているインデックスが失われてしまっていた話だ。読んでいるとき、私は母とけんかのようなものをしたばかりだった。無事仲直りもしたし、母娘の確執のようなものないのだが、どうしようもない共感が押し寄せてきた。昼休みに読んだので、職場で顔面がべしょべしょになってしまった。

 他の二篇についても非常に面白かったのだが、まだなんと形容していいかわからない。わからないけど好きだ。特に表題作は、こんなに面白い話が連続する中でタイトルになるだけのことはある!という気持ちにさせられる。

 

わたしたちが光の速さで進めないなら | 種類,単行本 | ハヤカワ・オンライン

https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014710/

10/13

 いつもより早く起きた。いつもカーテンを開け放したまま寝ているので、起きた瞬間からその日の天気がわかる。今日は窓の外が塗り潰したような白だった。

 朝ごはんにバターと蜂蜜を塗ったトーストと、母の作ってくれた豚汁を食べた。温めた豆乳も飲んだ。先日母がドイツ土産の蜂蜜を貰ったのでどうせならとトーストに塗ることにしたのだが、どうも不思議な味がする。薬っぽいというか、スーッとするのだ。花が違うのかもしれない。

 

 朝見かけた草花。普段通らない道を通ると新しい発見がある。

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 黄色い蝶のような花。マメ科かと言われるとキンギョソウよりな気もする。調べたが種は不明。

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 春先にバラの原種のようなものが咲いていたところについていた実。赤くてつやつやして綺麗。

 

 キム・チョヨプ著『わたしたちが光の速さで進めないなら』の短編「巡礼者たちはなぜ帰らない」「スペクトラム」「共生仮説」を読んだ。七つの短編で構成されているのだが、どの話も読みやすく身にスッと馴染んでくる。新井素子のSFが元々かなり好きなのだが、似た雰囲気がある。新井素子のほうが砕けた口語体だけれど。好きな作品の傾向を考えてみると、女性主人公でやさしい読み口のSFが好きなのかもしれない。

 ところで読み口という単語は、やはり物語を味わっているゆえに生まれた言葉なのだろうか。似た単語だとぱっと切り口とか飲み口とかの単語が浮かぶが、切り口の口部分はなんとなく端という意味な気がする。読みものの端、という意味ではないだろうから、きっと後者の意味に近いのだろう。野村美月『"文学少女"シリーズ』の、本から様々な味を読みとっているシーンに憧れがあるので、文章には味があるんだな、と思うとどことなく嬉しい。ともかく、残りの短編も読むのが楽しみだ。

10/12

 数日前に『ミステリーストーン』(徳井いつこ著、筑摩書房、1997年)を読んだ。石について、作者の随筆や古来での石の扱われ方、石を愛した著名人の話など多彩なテーマでまとめられている。この本の中でも特に好きな記述を3つ書くことにする。

「中国では、死んだ虎の魂が地中に入り、それがときを経て琥珀になったという伝承が残っている。」(p.116)

「オーストラリアのアボリジニエミュー(駝鳥に似た巨鳥)の胃からとりだした滑らかな石を魔よけのお守りとした。」(p.140)

「温めると良い香りを放つ琥珀の性質に着目したローマの女たちは、手に持って歩くことを習慣としたという。」(p.163)

一つ目は琥珀という字の成り立ちが伺えていい。また、二つ目は大きな鳥の胃の中から滑らかな石が出てきたら、お守りにしたくなる気持ちもわかる。民俗学的なところも好きだ。三つ目は、温めると良い香りがする、見た目も綺麗な石があることに嬉しさを感じた。実際に良い匂いがするのだろうか。一度握ってみたい。

 あとがきでは『ベルリン・天使の詩』が挙げられていた。石を触るシーンがあるらしい。気になっていた映画なので、近いうちに触れてみたい。

 

 この日は、『ときめく化石図鑑』(土屋香著・土屋健監修、山と渓谷社、2016年)を読んだ。こちらは化石入門書という雰囲気の本で、綺麗な化石の写真が主で、そこに説明が付け加えてある。前述の『ミステリーストーン』には江戸時代、巻貝の内部が玉髄化したものを「月のお下がり」と呼んだという記述があった。こちらの『ときめく化石図鑑』にも似たような記述があったのだが、「お下がりとはうんちのこと」と書いてある。衝撃だった。文字で綺麗なものなのだろうな、と思っていたら糞便のことだった。確かに巻貝の化石だけれど……。

 また、『ミステリーストーン』にはアンモナイトは蛇が石になったものと考えられていて、実際に化石に頭が彫られたものもある、とも書いてあった。その写真が、実際に『ときめく化石図鑑』に挙げられていた。確かにこれは蛇だ、と納得してしまった。

 🦕←これはディプロドクスと入力すると出てくる絵文字。似てるのかはわからない……。ブラキオサウルスでも同じ絵文字が出た。

 

 以前から欲しかった『ブエノスアイレス』のDVDを買ってしまった。何度見ても良いパッケージをしている。絵画みたい。GYAOで配信されているのを一度偶然観たものの、それ以来どこの配信サイトでも扱っているのを見たことがなくやきもきしていた。数年ほしい物リストにあり、ついに勢いで買ってしまったのだ。他のウォン・カーウァイ作品も観てみたいのだが、あいにくブエノスアイレスと同じく扱っているところが見当たらない。業を煮やしたら他作品のDVDも買ってしまうのだろうな、と思う。

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筑摩書房 ミステリーストーン / 徳井 いつこ 著

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480042118/

ときめく化石図鑑 | 山と溪谷社

https://www.yamakei.co.jp/products/2814202290.html

10/9

 自販機でメロンオレなるものを見つけた。パッケージがとてもかわいいが、残念ながら売り切れだった。どんな味なのか気になる。

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 雰囲気の良い喫茶店に寄った。暗めの木目のテーブルと椅子に、ステンドグラスの窓がつけられていて、薄暗くて綺麗な空間だった。メニューにシナモンティーとあり、一体どんなお茶が出てくるのか気になり頼んでしまった。シナモンスティックで混ぜるタイプの紅茶だった。普段はあまり紅茶に砂糖を入れないのだが、シナモンを入れるなら!と思い、甘くして飲むことにした。おいしかった。

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 新しい手帳を買った。緑の表紙に金色のくまが箔押しされていてかわいい。日曜始まりではないけれど、10月始まりでマンスリーとウィークリーがあり、メモページは少ないけれどウィークリーの部分が見開きで1週間分になっているので、結果的に書くところが多い。サイズもA6なので、欲しかったB5よりは少し小さめになる。しかし、表紙がかなりしっかりとした厚紙なので、小さくても書く時に段差でぐにゃぐにゃしなさそうで良い。使うのが楽しみ。
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 街中で期間限定の美術館のような催しが行われていた。わかるかと言われるとわからないものが多かったけれど、それでも絵がたくさん並んでいる空間は面白かった。土で不織布に沢山の模様が描かれているものもあって、眺めていたらなんとなくシダ植物を描きたい気持ちになった。

 

 古着屋で服を見ていたところ、触り心地の良いヒョウ柄のコートがあった。試しに体にあてがって鏡を見てみると、かなり似合っていた。明るい金色で斑点部分がしっかりした小さめの黒で、黒い丸襟が付いていたのがよかったのかもしれない。派手な服が似合うという自覚はあったけれど、ヒョウ柄を着てもいいんだ!という発見があって面白かった。この日は買う勇気がなかったけれど、人生で一回くらいは着てみたい。

10/7

 寝起きから寒い。未だに布団の敷きパッドが冷感だからかもしれない。帰ったら冬用の毛足が長いものを出そう、と決意した。その割には、夜あまりの眠さに居間に毛布を引いて寝てしまった。

 リビングには既に灯油ヒーターが出されていた。ヒーターが稼働しているときの、焦げ臭いような、暖かいような匂いがした。

 

 朝から猫と戯れた。どこの家の猫なのかは知らないが、やたら人懐っこくきれいな猫だったので飼われているのだろう。体表を擦りつけ、私の周りをぐるぐると回っていた。動けないな、と思った。戯れすぎて遅刻しかけた。

 

 母が、庭であけびがなっているのを見つけた。立派な実だった。既に実が割れてるので食べ頃かもしれない。野葡萄の実もそうだが、あけびの皮も黄色や薄い青、紫がまだらに入っているような独特の色合いをしている。綺麗でいいなと思うが、青斑の色と言われたらそこまでかもしれない。

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10/6

 いきなり寒くなった。金木犀の花はことごとく木から落ちてしまった。先日買った厚手のカーディガンを着てちょうど良い気温なので、ずっとこのくらいの気温がいいのかもしれない。いやそんなことはないかも。夜は寒い。鼻が冷える。ただ、寒くなると良いことも度々あり、今日なんかは夜空が澄んで綺麗に見えた。これからもっと澄んでいく。楽しみだ。

 謎の鳥の声も聞こえた。夜空を連なって飛んでいるらしき、2匹の「ガァッ、ガァッ」という声が7時くらいに響いていた。どういう鳥なのだろうか。

 今日もあまりに寒すぎてゆっくり湯船に浸かった。適当に買ってきたなんらかの名湯のような個包装の入浴剤を入れた。お湯が乳白色になり、とろみがついた。普段はバブのような入浴剤を使っていたので、お湯が白いのが新鮮だった。入浴剤を入れてかき混ぜる際も雲のような形になって面白い。金木犀の匂いのものもスーパーで見かけ、そちらは大きいボトルに入っており使い切れる気がしないので諦めてしまったが、個包装のタイプなら、たまには違う入浴剤を試してみるのもいいのかもしれない。

 湯船に浸かるとき、防水のスピーカーとスマホを持ち込んでラジオを流している。偶然流したラジオでいきなり「絶倫のバイセクシャルに変身し全人類と愛し合いたい」と流れてきた。それぞれの単語の強さに何事!?と慄いたが、短歌をつくる回だったようだ。

 

【聴き逃し】あさこ・佳代子の大人なラジオ女子会 ゲスト:枡野浩一 https://www2.nhk.or.jp/radio/pg/sharer.cgi?p=6749_01_3813256 #radiru

入浴しながら聞いたラジオ番組。10/13の午後9時55分まで聞き逃しで聴けるらしい。

10/4

 家に貰い物の水出しコーヒー(多分カルディのもの)があった。偶然気が向いたので作ってみることにした。水出しコーヒーのパックと水400mlを大きめの容器に入れ、8時間以上浸出させるらしい。500mlのボトルで作れるかな?と試したところ、コーヒーのパックが大きすぎて口に入らない。諦めて1ℓの容器にパックと水を入れ、一晩置くことにした。

 出来上がったものを朝飲んでみた。さっぱりとしていて、苦酸っぱい味がする。元々コーヒーが苦手なこともあり、決して好きとは言えないが、普通に飲むインスタントコーヒーより断然おいしかった。

 

 『こぽこぽ、珈琲』を読み終わった。河出書房新社のおいしい文藝シリーズという、特定の食べ物をテーマにエッセイを集めたアンソロジーのひとつだ。短編が31篇収録されていて、読みやすい上にどれも毛色が異なっており面白い。コーヒーにこだわる人もいれば、コーヒーは好きだけど味の違いがわからない人、コーヒーが苦手な人もいる。コーヒーの種類もウインナーコーヒーやダッチコーヒー、アイリッシュコーヒーやエスプレッソなど幅があっていい。

 一篇目の野呂邦暢「コーヒー談義」には、「地獄のように熱く、恋のように甘く、思い出のように苦く、というのがコーヒーを淹れるこつだそうである。(中略)ところで、淹れ方の形容に関して地獄のように熱く、というのはいいとして、恋のように甘く、というのはどうだろう。恋のように苦く、思い出のように甘く、というのが本当ではないだろうか。」という文章があった。良い文章だ。

 湊かなえの「コーヒー革命」というエッセイも収録されていた。湊かなえの作品は『サファイア』『告白』しか読んだことがなかったのだが、どちらも怖さのある作品である。このエッセイにそういった怖さは全くなかった。日常なので当たり前ではあるのだが、衝撃だった。

 寺田寅彦「コーヒー哲学序説」も良い文章が多かった。「パリの朝食のコーヒーとあの棍棒を輪切りにしたパンは周知の美味である。」「コーヒーの味はコーヒーによって呼び出される幻想曲の味であって、それを呼び出すためにはやはり適当な伴奏もしくは前奏が必要であるらしい。」あたりの文章が好きだ。コーヒーを飲むのではなく、喫茶店のもつ雰囲気を味わっているというのはわかる気持ちがする。

 村上春樹の「ラム入りコーヒーとおでん」というエッセイもあった。変なタイトルだな、と思いながら読んでみると、冬においしいものの話だった。村上春樹の文章に初めて触れたのだが、「〜だ。」「〜です。」が入り混じる文で衝撃を受けてしまった。居心地がわるい。部屋にありつつ手をつけていない『ノルウェイの森』を読むことができるのか、心配になってきた。

 先日、木村衣有子『もの食う本』という、食べ物に関する本の読書感想文集のような書籍を読んだ。そこに山口瞳『行きつけの店』という本が登場する。9/21の日記でも記したエッセイだ。その中の短編が、実際に『こぽこぽ、珈琲』の一篇としておさめられていた。読みながら、余の巡り合わせに嬉しくて足をばたつかせてしまった。その音を聞いた家族に「犬が歩っているみたいな音がする」と言われた。

9/21の日記

https://kinrenkanatuki.hatenablog.jp/entry/2022/09/23/082227

 『もの食う本』では嶋中労「コーヒーに憑かれた男たち」という本も紹介されている。この本は自家焙煎コーヒーの御三家と呼ばれる銀座のランブル、南千住のバッハ、吉祥寺のもかについて記されているらしい。『こぽこぽ、珈琲』に掲載されている村松友視「ランブル関口一郎、エイジングの果てのヴィンテージ」では実際にコーヒー豆のエイジングを行うランブルのオーナーが登場する。妙な繋がりを感じる。

 

 リサイクルショップでかわいいジャケットを見かけた。ジャカード織りで見かけるような柄の、丈が短めのジャケットだ。洋服の上から羽織ってみたところ、サイズもぴったりで笑ってしまうほど似合っていた。肩パッドもついている。

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 回転寿司で、生まれて初めてあぶらぼうずを食べた。縁側とはまた違った白身なのに、噛めば噛むほど脂が出てくる。衝撃的すぎて言葉を失い「なにやらすごい味がする」と言い続けていた。

 

 スーパーに、何やらよくわからない大きいパックのきのこ「あわび茸」が売られていた。買って帰り、塩焼きにして食べてみると、かなり独特の匂いがあった。出汁にはなりそうなので、後日カレーの具材になった。最近読んだ本によるとキノコは水から煮出すといいらしい。とても美味しいカレーができた。