雑記

好きな映画は『お嬢さん』『青い春』『ピンポン』『天気の子』です

10/12

 数日前に『ミステリーストーン』(徳井いつこ著、筑摩書房、1997年)を読んだ。石について、作者の随筆や古来での石の扱われ方、石を愛した著名人の話など多彩なテーマでまとめられている。この本の中でも特に好きな記述を3つ書くことにする。

「中国では、死んだ虎の魂が地中に入り、それがときを経て琥珀になったという伝承が残っている。」(p.116)

「オーストラリアのアボリジニエミュー(駝鳥に似た巨鳥)の胃からとりだした滑らかな石を魔よけのお守りとした。」(p.140)

「温めると良い香りを放つ琥珀の性質に着目したローマの女たちは、手に持って歩くことを習慣としたという。」(p.163)

一つ目は琥珀という字の成り立ちが伺えていい。また、二つ目は大きな鳥の胃の中から滑らかな石が出てきたら、お守りにしたくなる気持ちもわかる。民俗学的なところも好きだ。三つ目は、温めると良い香りがする、見た目も綺麗な石があることに嬉しさを感じた。実際に良い匂いがするのだろうか。一度握ってみたい。

 あとがきでは『ベルリン・天使の詩』が挙げられていた。石を触るシーンがあるらしい。気になっていた映画なので、近いうちに触れてみたい。

 

 この日は、『ときめく化石図鑑』(土屋香著・土屋健監修、山と渓谷社、2016年)を読んだ。こちらは化石入門書という雰囲気の本で、綺麗な化石の写真が主で、そこに説明が付け加えてある。前述の『ミステリーストーン』には江戸時代、巻貝の内部が玉髄化したものを「月のお下がり」と呼んだという記述があった。こちらの『ときめく化石図鑑』にも似たような記述があったのだが、「お下がりとはうんちのこと」と書いてある。衝撃だった。文字で綺麗なものなのだろうな、と思っていたら糞便のことだった。確かに巻貝の化石だけれど……。

 また、『ミステリーストーン』にはアンモナイトは蛇が石になったものと考えられていて、実際に化石に頭が彫られたものもある、とも書いてあった。その写真が、実際に『ときめく化石図鑑』に挙げられていた。確かにこれは蛇だ、と納得してしまった。

 🦕←これはディプロドクスと入力すると出てくる絵文字。似てるのかはわからない……。ブラキオサウルスでも同じ絵文字が出た。

 

 以前から欲しかった『ブエノスアイレス』のDVDを買ってしまった。何度見ても良いパッケージをしている。絵画みたい。GYAOで配信されているのを一度偶然観たものの、それ以来どこの配信サイトでも扱っているのを見たことがなくやきもきしていた。数年ほしい物リストにあり、ついに勢いで買ってしまったのだ。他のウォン・カーウァイ作品も観てみたいのだが、あいにくブエノスアイレスと同じく扱っているところが見当たらない。業を煮やしたら他作品のDVDも買ってしまうのだろうな、と思う。

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筑摩書房 ミステリーストーン / 徳井 いつこ 著

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480042118/

ときめく化石図鑑 | 山と溪谷社

https://www.yamakei.co.jp/products/2814202290.html