10/13
いつもより早く起きた。いつもカーテンを開け放したまま寝ているので、起きた瞬間からその日の天気がわかる。今日は窓の外が塗り潰したような白だった。
朝ごはんにバターと蜂蜜を塗ったトーストと、母の作ってくれた豚汁を食べた。温めた豆乳も飲んだ。先日母がドイツ土産の蜂蜜を貰ったのでどうせならとトーストに塗ることにしたのだが、どうも不思議な味がする。薬っぽいというか、スーッとするのだ。花が違うのかもしれない。
朝見かけた草花。普段通らない道を通ると新しい発見がある。
黄色い蝶のような花。マメ科かと言われるとキンギョソウよりな気もする。調べたが種は不明。
春先にバラの原種のようなものが咲いていたところについていた実。赤くてつやつやして綺麗。
キム・チョヨプ著『わたしたちが光の速さで進めないなら』の短編「巡礼者たちはなぜ帰らない」「スペクトラム」「共生仮説」を読んだ。七つの短編で構成されているのだが、どの話も読みやすく身にスッと馴染んでくる。新井素子のSFが元々かなり好きなのだが、似た雰囲気がある。新井素子のほうが砕けた口語体だけれど。好きな作品の傾向を考えてみると、女性主人公でやさしい読み口のSFが好きなのかもしれない。
ところで読み口という単語は、やはり物語を味わっているゆえに生まれた言葉なのだろうか。似た単語だとぱっと切り口とか飲み口とかの単語が浮かぶが、切り口の口部分はなんとなく端という意味な気がする。読みものの端、という意味ではないだろうから、きっと後者の意味に近いのだろう。野村美月『"文学少女"シリーズ』の、本から様々な味を読みとっているシーンに憧れがあるので、文章には味があるんだな、と思うとどことなく嬉しい。ともかく、残りの短編も読むのが楽しみだ。