雑記

好きな映画は『お嬢さん』『青い春』『ピンポン』『天気の子』です

鴨の血、秋の空、本の記録、Perfume

 随分と日記を更新する間隔が空いていた。覚書も兼ねて、前回更新以後の10月の出来事などを書いていこうと思う。

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 業務スーパーで鴨の血が売っていた。食べ方を調べたところ、火鍋の具材やスープに使われるらしい。私が少し興味を示していたところ、母が買い物カゴに入れていた。

 数日後、四角く切られて(豆腐のような容器に入っているので元々四角いのだが)キムチ鍋に入れられていた。つるりとしていて赤茶色で、思ったより生臭さはない。食感は、途中まで歯が沈み込むけど、切れる寸前でくきりと軋む感じがあったのちに噛み切れる。獣臭さのあるナタデココといった感じ。表面がつるつるしている故に味は全く染み込んでいない。母と弟は苦手そうにしていた。

 翌日、お弁当用にジップロックスクリューロックに鍋を入れたものを渡されたが、その時のあまりの鴨の血が入っていた。今度は味が少し染みていておいしかった。

 

 ある朝、畑からもうもうと湯気が出ていた。この光景を見るとなんとなく秋だな、という気持ちになる。調べたところ、目線より下に出る霧のことを地霧というらしい。

 

 新井素子グリーン・レクイエム 新装版』を読んだ。「グリーン・レクイエム」「週に一度のお食事を」「宇宙魚顛末記」と、あとがき、新装版あとがき、解説(秋山協一郎)が収録されている。中学生のとき、母に勧められて読んでみたくなり、学校の図書館に入れてもらった思い出の本だ。そのときは『グリーン・レクイエム/緑幻想』という、続編も一緒に収録されたものだった。

 今回は「緑幻想」は入っていなかったのだが、「グリーン・レクイエム」を読んだところ無性に読み直したくなってしまった。「グリーン・レクイエム」を読んだのも10年ぶりくらいだったので、「こんな終わり方だったっけ!?」と驚愕してしまった。新井素子の、日常の描き方なのに要素が人外的な、SF要素の含め方が好きだ。砕けた(砕けすぎた?)口調なところも、SF要素を入れても重くなりすぎない。初めて読んだ短編「週に一度のお食事を」は吸血鬼SFなのだけれど、着地の仕方が意外だったし、「宇宙魚顛末記」では瓶から出てきた願いを三つ叶えてくれる悪魔「キティ」のことが愛しくなってしまった。

 新装版あとがきによると、新井素子は「グリーン・レクイエム」のあとがきを6回も書いているらしい。そんなに同じ作品のあとがきを書くことあるんだ!むしろ書いてもいいんだ!という気持ちになった。

 解説では、秋山協一郎という人が新井素子の小説を読んだのち、文体が寄ってしまうし真似しようとしてもできない、ということが体言してあった。異様に面白かった。

 


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↑10月下旬に読んだ本。

 

 10月末はあとがきや解説が面白い本に恵まれた。小松貴『昆虫学者はやめられない』も読んだのだが、この本は内容ももちろん面白いのだが、ヤマザキマリの解説がものすごい破壊力だった。家の中で昆虫を放し飼いにしていて怒られたエピソードが特に好きだ。

 ちなみに、作品内で著者がいきなりアニメが好きなことを公言し始めるし、サブタイトルが様々な作品をもじったものになる(虫の本とは?)。

 

 秋になったので唐突にPerfumeの楽曲が聴きたくなった。「レーザービーム」を流していたところ、歌詞に「心をしゅわりとつきさすの 虹色のラブビーム」とあり、「ラブビームって虹色なんだ……赤とかピンクとかじゃないんだ……」と衝撃を受けた。ビカビカしていていいかもしれない、虹色のレーザービーム。歌詞を書いていて思ったけれど、「しゅわりとつきさすの」が全部ひらがななのが良い。ひらがなと漢字とカタカナの割合がかわいい気がする。