雑記

好きな映画は『お嬢さん』『青い春』『ピンポン』『天気の子』です

『美女と野獣』を観ました

以前録画されて放置されていた金曜ロードショー版『美女と野獣』を観ました。1991年のアニメ版です。既に数回観ているのですが、改めて記録に残そうかと。ちなみに2017年実写版の『美女と野獣』も以前観ましたが、そちらも実写への落とし込み方がすごくうまかった記憶があります。

 

まず背景がすごく綺麗で絵画的なんですよね。背景のためだけに視聴してもいいくらい。暗い森のシーンとか、影が青くて寒々しい色だったり、積もった雪に光が当たって輝いている部分は薄い黄色だったり。動きもこれ全部描いてるんですか!?という気持ちになります。ダンスを踊るシーンのドレスとか。

 

以前『美女と野獣』を見たのが幼少期だったので、ベルが冒頭でずらっと並んだ本棚に動くはしごをかけていたと思い込んでたのですが、想像してたよりもこじんまりとしていてちょっと驚いてしまいました。後から出てくるお城の図書館と混ざったのか、はたまた桜庭一樹の『GOSICK』を読んでいた時のイメージと混ざったのか。実際家にある本棚の方が大きくて、ベルが窮屈な世界に閉じ込められているんだな、という実感が湧いてきました。まさかここの見方が変わるとは思ってもいませんでしたが……。

 

ガストンもある意味可哀想な人間で、目的のためなら手段を選ばない悪人ではあるんですけど、あくまでもあの小さな村でもてはやされてるだけの、その村の考え方と向きが一致していただけの人間なんですよね。村の考え方に沿っていたから村を出ようなど考えつかず小さなコミュニティの中で踏ん反り返っているというか。悪人というよりは愚かな側面が強いような印象があります。最終的に川へと落ちてしまいますけど……。

 

あとやっぱりディズニーのアニメは歌が多くていいですね。わかる歌が流れると嬉しい。

 

晩餐会のシーンでベルは次々とさらに指を突っ込んでつまみ食いをするわけですが(!)これは実写版の改変の方が良くて、つまみ食いしようとして失敗してるんですよね。結構ベルのこと賢いイメージがあったんですけど、賢くありつつも知的好奇心がどうしても抑えられないキャラクターなんだな、と謎の納得がありました。駄目と言われても西の外れの部屋に入ってしまいますし。

 

直前に見たのが『ラ・ラ・ランド』だったこともあり、ベルと野獣が心を通わす描写がわかりやすくてめちゃくちゃ丁寧だな!?と思ったんですよね。『ラ・ラ・ランド』の恋愛の速度についていけなかったので……。個人的な好みですが、このくらい描写が丁寧な方が好きかもしれない。

 

中学の修学旅行で劇団四季美女と野獣を観たのですが、クライマックスで野獣が王子に変わるシーンが宙に浮いたと思っているうちに本当に王子になってしまい衝撃を受けたことを覚えています。あれがこの世で一番魔法に近しいと信じているのですが、そのことを思い出して同じシーンで泣いてしまったんですよね。大人になると涙腺が弱くなると言いますが、こういう思い出やしがらみが増えてくるから呼び起こされる感情も強くなるのかな。

 

改めて『美女と野獣』を観ましたが、やっぱり大好きでした。常々言っている「服の布は多ければ多いほどいい」という感情の原初、ベルの黄色いドレスなんですよね。今見るなら実写版の方がいいかもしれないですが、どちらもおすすめです。