雑記

好きな映画は『お嬢さん』『青い春』『ピンポン』『天気の子』です

『ラ・ラ・ランド』を観ました

先日、11/4で本作がアマゾンプライムから消えてしまうとのことだったので駆け込みで視聴しました。吹き替え版です。ちなみに観るのは2回目なのですが、初めて観たときは寝落ちして全く話を覚えていなかった挙句シーンも最初の車のミュージカルしか覚えていなかったです。

 

感想なのですが、あのオチをやるためだけの前振り部分がめちゃくちゃ長いというか、私は好きだったけど説明が少ないな!?という感じでした。あと絶対に劇場で観た方が楽しかっただろうな、という後悔があります。勢いで流してくれるので。

 

説明がとにかくなくて、いきなり道路が渋滞して車が大量に停まっているところからミュージカルが始まるのですが、主人公たちはその場には存在するもののミュージカルそのものには登場しなかったり「そのミュージカルの人誰!?」となります。結局はイメージ映像というか今後の展開の示唆的なものだったのですが。タイトルの出方は半端なくかわいい。

 

女優志望のミアがジャズで店を開きたいという夢を持つセブと最悪の出会いを果たすも恋仲になり、紆余曲折あり距離を取るも別々に夢へと進んでいく話が合間合間にミュージカルを挟んで進行されます。

 

これ、最初の1時間は本当に掛け合いが微妙で何言ってるかがわからなくて困りました。意図がわからない。そして二人がなんで惹かれあったのかもわからない。特にセブの言葉遣いが難しすぎる。何もわからないままよくわからないシーンが過ぎ去っていくのがかなり苦痛でした。

 

その合間に挟まるミュージカル。実際ミュージカル部分はかなりよくて、特にルームシェアしてるらしい家でのひとつなぎのカットとか撮り方、色のセンス(補色の関係がうまい……)がすごく良かったです。

 

ミアとセブが2人で車を探しながら夜景を見てこんなに綺麗な景色なのに相手があなたなんてもったいない!と踊るシーンも良くて、踊る前のベンチでのいちゃつきなんかは舞台で観たら絶対に面白かっただろうな〜と思いました。ただ映画でそれをやってるので、いまいち乗り切れなかった。映画内の人物の虚構と現実の区別がつきにくいので……。パッケージになってるだけあり本当に綺麗なシーンでした。

 

ミアとセブが結ばれて天文台で踊りながらキスするシーンもありましたが、振り子と踊りを上から映すのが個人的に好きでした。あとこれは個人的に気になる点なのですが、セブと映画の約束をした時に彼氏との約束がブッキングしており彼氏とご飯を食べるシーン、あれ同じ席に座っている人誰…………?ここは本当に説明がなかったですね。

 

打って変わって後半からは堅実なドラマパートとしてミアとサブのすれ違いなどが描かれるわけですが、この部分は聞いて理解できるのが良かったです。前半の速度に振り落とされていたから地に足がついた感じ。結局2人は別れ己の夢に向かって邁進するわけですが、そこから5年経ち、2人は夢を叶えます。ミアは女優として成功、セブは自分の店を持ちジャズを演奏。

 

いきなり5年経つのとミアが結婚していて驚いたのですが、顔を良く見たらセブじゃなかったので二重に驚きました。いやそういうこともありますが。人生なので。そもそも人の顔が覚えられないので認識に時間がかかりました。

 

女優となったミアはセブの店へと夫婦で赴き、セブの音楽を聴くのですが、ここで舞台のような走馬灯のようなシーンが流れます。ここのためだけに全てあったと言わんばかりの見せ場盛り合わせみたいなシーン。ここのシーンがあまりにも美しかったので全て許してしまいました。

 

個人的にはミアが演じた、別れてパリに行った際の舞台なのかなと(舞台の背景みたいなものもありましたし)思っていたんですけど、めちゃくちゃセブの顔が映っているので違うような気もしてきました。なので走馬灯と称しています。

 

このシーンの天文台で踊る2人の再現が本当によくて、電球をたくさん配置した暗い部屋で床が水のようになっており、そこに一面の電球が反射して星空のようになっています。そこで2人は踊るのですが、このシーンで『劇場版少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』を思い出してしまい、違うことはわかっていても許してしまったんですよね……。

 

全体を通して、「運命の人なんているわけない、私を必要としている場所があるだけ」と考えていたミアが運命の人であるセブと出会い必要とされる場所まで連れて行ってくれるけど単に人生の伴侶ではなかった、という話なのかな〜と。運命の人以外にどう形容すればいいのかわからないですけど。セブにとってのミアも然りで。

 

個人的には主人公たちの気持ちが前半はわからないしかなり複雑な気持ちなのですが、この走馬灯のおかげで後味は結構爽やかですし微妙なところだけども総合したら加点になっているという不思議な映画でした。機会があれば是非。