雑記

好きな映画は『お嬢さん』『青い春』『ピンポン』『天気の子』です

『パディントン』に挫折しました

映画ではじめて挫折しました。可愛い熊が様々な経験をしながら成長していく話なのかな、と勝手に思っていたのですが、開始20分で挫折してしまったので真相は闇の中です。どなたか視聴済みの方がおりましたら教えてください。

 

いやこれ、掴みは本当〜に面白くてワクワクだったんですよ。白黒の小さい画面にイギリスの探検家がペルーで撮ったような映像で、彼曰く「新種の熊を発見した」と。立って歩くし喋ることもできる。そういう熊二匹に文明を与え、マーマレードを教え、名をつけて「何かあればロンドンをお尋ねください!」と言い残し彼は帰っていくわけです。ここまでは本当に良かった。

 

数十年後、親戚の子パディントン(これはクマ語は人に発音できないのでのちに人からつけられる名ですが)を預かる熊二匹がいるわけですが、地震により家は崩壊、片方の熊はおそらく死んでしまい、もう片方の熊も足が不自由な状態。それではるばるロンドンまで家を探しにくるわけです。

 

なんとかはるばるロンドンの駅まで来るも、熊のことは誰も相手にしてくれません。だって熊だから……。偶然優しい人が通りがかり、引き取り手が見つかるまで、と家に案内してくれるわけです。でもパディントンは家を探しに来たわけですから、すっかりその素敵な家をもらえると勘違いしてしまいます。共感性羞恥的につらいポイント。まあここまではいいです。

 

そのあと、旅は疲れたろうからとお風呂を勧められるのですが、熊なので様々な用具の使い方がわかりません。洗面台でよりにもよって人が使っている歯ブラシを両手に持ち、何故か耳に突っ込みます。耳かきだと思ったのでしょうか。それで耳掃除をして引き抜くと歯ブラシには毛やら垢やらがびっしり。この時点で口の中が毛っぽくジャリジャリした気分になってきます。そして何故かそれを舐めます(!?)あまりの不味さに驚いたパディントンは洗剤のようなものを一気飲みしてしまい、熊なので蛇口の使い方がわからず、トイレの水を飲みます。しかし今度は蓋に引っかかってしまい、頭を外したりしてるうちにトイレから水が溢れかえってしまい洗面所は水浸しになっていきます。ここで耐えきれずに映画を中断しました。はじめての挫折。

 

これを観て気がついたのですが、家が爆破されたりする描写は平気ですが家の中がめちゃくちゃになる描写は後片付けや修理費用のことを考えてしまうのでかなり厳しいものがあったり、血や性的表現は平気なのに汚い描写はきついらしいです。新たな地雷の発見。

 

思い出してたら気分が悪くなってきたのでこの辺にしておきます。共感性羞恥の強い方は見ない方が得策かもしれないです。

実写版『アラジン』を観ました

先日はウィル・スミスがジーニー役と話題になっていた実写版『アラジン』を観ました。ちなみに吹き替え版です。山寺宏一の声が聞きたかったので……。歌うシーンが多かったので結果的に良かったのでは、と思います。

 

これまで観たことのあるディズニーの実写版は『シンデレラ』『美女の野獣』で、どちらも良かったので期待値が高かったのですが、結果としてかなり楽しめました。

 

基本的に流れはアニメ版『アラジン』と同じで、盗みをし日々をなんとか暮らしていた主人公アラジンが王宮から抜け出してきた姫ジャスミンと出会い、紆余曲折あり主人公は魔法のランプを手にし、姫と結婚したいがためにジーニーに王子になるように願うが結局は自分で行動に全てがかかってくるという話です。

 

個人的にはアニメ版よりも好きで、重いというか共感性羞恥が働きそうなシーンでも豪華な絵面や音楽に集中していればさほど気にならず「こういうものなのね」と安心して観れるようなところとか。逆に最終決戦のシーンは気を散らすものがないのでちょっと辛いですが。

 

何より美術と服飾が豪華で嬉しいんですよね。花びらが舞ったりとか。王宮の豪華さだとか。私は衣装の布があればあるほど良いと常々言っているのですが、今回は布の多くて刺繍の入った生地のスカート!薄布の繊細なベール!といった感じで、ここだけでもかなり満足できました。衣装替えも多いし。

 

あと主人公のアラジンがよく盗みをして暮らしているため逃走がうまく、パルクールなどのアクションが派手でいいんですよね。こういう迫力のある演出も実写ならではかなと……。

 

歌が多いという話も先ほどしましたが、ジーニーの歌のシーンが本当にいいんですよ。ジーニーは歌のシーン以外でも全部良いですが。嘘みたいにでかいリアクションと嘘みたいにでかい動き、そしてそれに見合う力。存在が嘘みたいなキャラクターなんですよね。まあ何たって魔神ですから仕方ないのですが。

 

これは余談なのですが、実写版アラジンを観終わった直後にこのニュースが流れてきて笑ってしまいました。魔法のランプ、欲しいですよね……。

 

https://news.livedoor.com/article/detail/19154314/

 

個人的にはかなり楽しめたのでおすすめです。アニメ映画の方を見てなくても楽しめるかと思います。是非。

『チワワちゃん』を観ました

予告がめちゃくちゃ美しくて気になっていた『チワワちゃん』を観ました。

 

バラバラ殺人の被害者として報道されている子が実は一緒に遊んでいた「チワワちゃん」で、実はチワワちゃんの名前も知らないな、と思った主人公が他の仲間に彼女のことを聞いてまわるという、ほぼ回想で作られている映画。

 

結構主人公の語り口もあり淡々とした雰囲気で進んでいきます。主人公から見たチワワちゃんは「青春の自爆テロ」で、好きだった人が連れてきた彼女で、主人公が趣味で写真を撮ってインスタにあげていたのを真似してはやすやすと追い越す人間で、そういう複雑な感情を抱いた友達で。「青春の自爆テロ」、いきなり単身で飛び込んできてはそこにあったものを破壊して自分を注目の的にしてしまう人のことだよな、となる。少なくとも良い感情しか持ってない人間にこういう形容はしなくて、そういうバランス感覚があるような気がしています。

 

バーで知り合った主人公たちは政治家に横流しされる金を盗み逃走した翌日、その横流しをしようとしていた本人たちが逮捕されて盗んだお金で豪遊する。そこからプールだとかまわるベッドだとか、豪遊する刹那のような日々が映像として流れていくのですが、ここでチワワちゃんとユミという女の子のプールでのキスシーンがとても美しいんですよね。プールは足がつかない深さで、チワワちゃんは泳げないのでユミにしがみつかないと溺れてしまうわけですが、その状態でユミに対してキスをする。ユミは拒まずに受け入れる。許しと抱擁なんですよ。これがたびたび映画の中でフラッシュバックのように流れるのですが、そのたびにあまりにも美しいシーンなことを再確認してしまいます。

 

豪遊シーン、個人的にお金を浪費すると現実的になってしまうのでそんなに好きではないのですが、それはそれとして画面があまりにも綺麗なので許容されてしまうんですよね。

 

そのあとは仲間達のそれぞれからチワワちゃんがどのように見えていたかが語られ、結局犯人も見つからず(これが一番びっくりしました、ミステリで動機があるんだと思っていた)チワワちゃんに対する動画で締めくくられる。でも湿っぽいものではなく、すごく爽やかな、どこかでまだチワワちゃんがいきているような終わり方で不思議な気持ちになります。終わってからも不思議な映画だったな、と考えてしまう。視聴後にその映画に想いを馳せてしまうのは個人的には良い映画なんだと思っています。

 

R15なだけあって結構直接的な早回し乱交シーン(ちょっとギャグっぽい)だとかレイプシーンなどがあるので、性的なものが苦手な人には厳しいかもしれないです。あと結構陽キャというかパリピ的なのでそういうノリが苦手な方とか。

 

『チワワちゃん』ですが、一瞬の青春の煌めきとその破滅を感じたい方におすすめです。私は好きでした。

『青い春』を観ました

10/31でアマゾンプライムの見放題から『青い春』が消えてしまうと知り、見納めを行いました。

 

これ、本当にすごい映画なんですよね。不良高校の生徒が鬱屈しながらも日々を送るんですけど、将来の夢があった人間がそこまで辿り着けず、何も考えていなかった人間がそのまま残ったりだとか。

 

学校が好きなのに人を殺してしまったとか、殺されてしまったとか、中退したとか、死んでしまっただとか、色々なもので友人たちが散り散りになっていくんですよ。咲くことのなかった夢たち。でもこの高校の校長先生は「花は枯れるためにあるんじゃなくて咲くためにあるんです」と励ましてくれる。しかし、しかしの物語なんですよね。

 

退屈な日々を過ごしている主人公の九條が、幼馴染の青木といかに美しい青春を過ごしていかに決裂していくかの話なんですけど、ラストのシーンでかかるTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのドロップがすごいんですよ。これがプレイリストからランダム再生で流れると頭をぶん殴られた気持ちになる。青い春のことは忘れてしまってもこのシーンのことだけは一生覚えてるのではないか、と思います。

 

この話は「幸せなら手をたたこう」をベースに作られているけど最後の青木は九條に勝てて幸せだったのかな……と考えてしまいます。でもそれしか賭けるところがなかったんだろうなとも。ここに出てくるキャラクターは皆思春期独特の危うさと不安定さを持っていて、だからこそ破滅してしまう。物語を俯瞰していた少年だけが生き残る。そういう……。不安定で危うくて何を考えているかわからない少年として松田龍平がキャスティングされているの本当に良くて、あのときの松田龍平演じる九條の美しさこそ一瞬のきらめきだと思ってしまいます。

周りの大人たちが主人公たちに優しいところも残酷なところなんですよね。

 

あと地味に好きなところ、階段でいつもたむろしているシンナー中毒の学生としてピース又吉が出ているんですけど、なんか面白いのか無表情なのかわからない感じでずーっとぶつぶつ一人で喋っているんですよね。高校生には見えないけど役柄に合っていて良かった。

 

あと暴力シーンも不良ものなので多いんですけど、痛そうなのもありますが何故か爽やかなんですよね。直接の暴力が映らず血が映る感じ。ガメラで血の付いたメガネが落ちる描写みたいな。

 

今回は2回目なのでましでしたが、初めて観たときすごく死にたくなったんですよね。大好きな映画なのですが、精神状態が良い時に、視聴後に何かを話せる相手がいる状態で観るのがおすすめです。

『コクリコ坂から』を観ました

実は一度見ているのですが、話やオチが全く思い出せずまた観てみようかな……と思い録画を再生しました。ちなみに同じ現象は借りぐらしのアリエッティでも起きています。観たはずなのに記憶が失われているのは悲しいことですね。金曜ロードショー版なので多少カットされている部分はあるかと思います。

 

感想なのですが、絵は綺麗だけど話はあまり……という感じでした。話の起伏が少ないのでどこが盛り上がりかわからない。主人公たちが実は兄妹だったと知れると「安っぽいメロドラマみたいだ!」と憤慨するシーンがあるのですが、それさえもやはりどこかでみたような気がしてとても印象が薄い。あまり興味を持って観れるような内容ではなかったです。

 

内容としては、古い部室棟を取り壊されないように清掃・修復する部分と主人公の少女メルが風間という少年と惹かれ合うという部分が同時に進行するようなものになっています。

 

部室棟修復部分は好きなのですが、恋愛部分にあまり気分がのらないというか(もともと恋愛ものが苦手なのかもしれない)それこそ安っぽいメロドラマみたいというか、面白いポイントがわからなかったんですよね。オチも旗を上げるだけだし。「そこで終わるんですか!?」って言ってしまった。やりたいことがわからないというか、オチが弱すぎて「それで?」とまだ何かあるのかと思ってしまう。でもなにもないので消化不良に陥ってしまう。

 

背景の植物や海はやっぱりジブリなだけあって綺麗で、コクリコ坂には本当に雛罌粟が咲いていた。メルが毎日花瓶に挿している花もそうだし。でも本筋には全然絡んでこなかったよな……という気持ちもある。

 

2回目として観てはみたものの個人的にはよくわからなかったのであまりおすすめはしないです。

『となりのトトロ』を観ました

実は物心ついてからちゃんと観る機会がなかったので、今回改めて『となりのトトロ』を観ました。金曜ロードショー版なのでカットなどあるかもしれないです。

 

実はもののけ姫も物心ついてから見返したらキレてしまった前科があるので少し心配だったのですが、トトロは普通に楽しく観れたので良かったです。

 

まずOPの映像がかわいい。背景とかもこの時代だとセル画なんですかね?かなり綺麗でした。あと単純に妖怪ものが好きなので楽しかったというのもあります。観ていて知ったのですが、まっくろくろすけ千と千尋の神隠しに出てくるススワタリ、同一の存在だったんですね……知らなかった……。

 

ある程度デフォルメされたトトロやまっくろくろすけしか知らなかったので驚いたのですが、思ったよりどちらもかわいくないんですよね。マスコットと言うよりは確実に妖怪なところがよかったです。かわいくはないけど愛嬌があるし……。あと個人的に神は気持ち悪くてなんぼみたいに思っている節があることも影響しています。トトロやネコバスの大きい髭や毛穴がうにょうにょ動くのもよかった。大きいと怖いんですよね。カピバラもそう。世界最大の齧歯類は怖い。トトロはもっと大きいけど……(あくびした時に歯の並びがすごく綺麗だったからどんぐりは食べるけど齧歯類ではないっぽい)

 

あと単純に大きく起伏がないのですが、妖怪日常冒険譚として観れたのがよかったですね。こういうのって起伏がないのがいいところなので……。具合があまり良くない時に見たんですけど消化にいいな、という気持ちになりました。やさしめ。

 

気になった点としては、さつきに朝ごはんやお弁当を作らせたり、その割にはお風呂はさつきとメイとお父さんの3人で入ったりとどのくらいの年齢で扱いたいのかよくわからないなあと思いました。このくらいの年代での女の子がどのような振る舞いをしていたかもわからないですけど。さつきが見た目の割に大人びた声をしていて、本当にどっちとも取れるような可変の存在なの、ずるい。年齢の割に大人びていると言及もされてはいましたけど……。

 

ジブリの中でもハウルの動く城千と千尋の神隠し思い出のマーニー魔女の宅急便ほどの高揚感はないものののんびりしたい時に見るんだとこれ以上適した映画はないと思います。何もしたくなくて何かをじっと見つめていたい時におすすめです。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作を観ました

洋画、バック・トゥ・ザ・フューチャースターウォーズは観たよね?くらいの勢いで話を進めてくるのが毎回悔しかったのですが、ついに今回見ることができました。1と2は金曜ロードショー版なので多少なりともカットされている部分はあるかと思いますが……。

 

感想なのですが、めちゃくちゃ怖くないですか!?下手なホラー映画より怖かったです。自分の行いが周りの人間に人知れず影響を及ぼしてしまうということ、今回はいい方向に転んだから主人公も喜んでいますが家族が全く別の次元のものに一瞬で様変わりしてしまう様子、全部怖い。ホームアローンを観ている時の「一瞬間違うと空き巣を殺してしまうのでは……!?」という取り返しのつかない危うさに近いです。

 

基本的に3部作ではありますが、1〜3までで時代が違うだけで構成はほぼ同じなのでどこから観ても割と楽しめるのでは……?という気持ちがあります。登場人物の説明がないのでその辺の因果がわかりにくかったりわざと構成が同じなので天丼的なネタの面白さが味わいにくかったりはするかもしれません。

 

しかし名作というだけありかなりたのしめました。お金もかかってますし昔の映画なのに画質もいいですし。逆にテンプレートなので気を少し緩めてのんびり見るのに向いているような気もします。観たのが遅くなってしまったので目新しさが薄いのが残念なところ。何より家族で見ても気まずくならないのがいいです。あと作中で言及されていたジュール・ベルヌの『海底2万マイル』を読まなくてはな……という気持ちになりました。ふしぎの海のナディアの元ネタでもあるので……。

 

倫理などの危うさがある点は個人的に慄いてしまいましたが、単純に映画として楽しめるのでおすすめです。